水稲作3方式間における人為的二酸化炭素発生量の比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
地球温暖化の原因物質として温室効果ガスの環境への深刻な問題が提起され、農業も二酸化炭素の発生源として指摘されていることから本研究では、湛水直飯播区(CD)、簡易耕起移植区(MT)、慣行移植区(CT、対照)の水稲作3方式を対象に、人為的原因による二酸化炭素発生量の違いを調べた。全工程の作業時間はDS区がCT区の45%、MT区が99%であった。この中から本圃作業のみを取出すと、MT区はCT区の85%っであった。全工程の燃料消費量はDS区がCT区の57%、MT区が93%であった。全工程の二酸化炭素発生量はDS区がCT区の96%、MT区が73%であった。二酸化炭素発生量を作業工程別にみると、土壌消毒や籾乾燥などで大きかった。作物の単位乾物収量当たりの二酸化炭素発生量はDS区がCT区の64%、MT区が81%であった。水稲のT/R比を4.0と仮定すると、全乾物量当たりの二酸化炭素発生量はDS区がCT区の64%、MT区が88%であった。以上より、二酸化炭素発生量としてはCT区>MT区>DS区の順であったことから、この点に関する湛水直播の優位性が確認された。
- 筑波大学農林技術センターの論文
- 2003-03-31
著者
関連論文
- 〈原著論文〉草型の異なる自殖性ソバ系統の倒伏関連形質
- イネ単作水田の複作化にともなう付加的利益
- イネ単作水田の複作化にともなう作物の応答
- <技術報告>雑草生育量が作物-雑草共生系の生産性に及ぼす影響を調節する一手段としての除草率の提案
- <原著論文>持続性を目指した畑作物-雑草共生系に関する基礎的研究
- 〈原著論文〉竹炭による灌[]用水の浄化が水稲の、生育・収量、雑草発生量ならびに栽培環境に及ぼす影響
- 水稲作3方式間における人為的二酸化炭素発生量の比較
- <総説>地球温暖化防止への効果が期待される農業技術動向
- <技術報告>熱処理した作物残留物の施用が作物成育と土壌特性に及ぼす影響
- 黒ボク土における水稲の収量に及ぼす連用施肥の影響
- 筑波大学農林技術センターで栽培した水稲品種の特性
- 挿苗時期および収穫時期がサツマイモの収量および品質に及ぼす影響
- 水稲の簡易耕起移植栽培における作業性と収量性
- 77 水稲種子におけるプライミング処理が低温条件下の発芽に及ぼす影響 : 第2報 品種による反応の差異
- チュ-リップ球根生産者の労働負担の軽減に関する調査研究(第1報)蓄積的疲労徴候インデックス(CFSI)への応答
- チュ-リップ球根生産者の労働負担の軽減に関する調査研究(第2報)複合経営としてのチュ-リップ球根作と水稲作労働の特徴
- 農林技術センタ-水田の灌漑水量とその水質並びにそれに伴う養分の供給
- 乳苗・稚苗・直播栽培における作業性・生産性の比較
- 耕地生態系において生物多様性が果たす役割
- 水田からの炭素ガス年間発生量に及ぼす尿素施用の影響についての研究事例
- 異なる肥培管理下における水稲栽培の生産性と環境負荷の総合評価
- イネ単作水田の複作化にともなう付加的利益
- イネ単作水田の複作化にともなう作物の応答