幻聴への対処の工夫 : 心理臨床の考え方の軌跡
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概要
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本論文では,幻聴の消去技法を用いた2事例を呈示するとともに,その着想に至った経緯について記述した。事例1は,統合失調症の19歳女性である。テレビの音量を下げるようにダイヤルを回して幻聴を消させるなどの介入をクライエントの状況に合わせて行い,数回の面接で改善が認められた。事例2は,統合失調症の32歳主婦であり,隣人から悪口を言われていると思い込んでいた。隣人との実際の接し方を変えさせることに加え,幻聴が起きているときの姿勢を「身をすくめる」から「伸びをする」などに変更させることにより,幻聴は減少し隣人との関係も改善していった。これらの事例から,幻聴症状の構成要因や幻聴の起きているときの身体条件を変化させることが幻聴への対処として有効であることが示唆された。
- 日本ブリーフサイコセラピー学会の論文
- 2011-12-31
著者
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