褥婦の腰痛の実態と介入 第2報 : 産褥リフォームインナー着用指導の効果
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概要
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本研究では分娩直後から1ヵ月間,腹帯や骨盤ベルトなどの産褥リフォームインナーで正しく腰部や骨盤周囲を固定する着用指導によって,腰痛改善の効果と,理学的診察法の有用性について検討することを目的とした。対象は正常経膣分娩で分娩直後から腰痛を自覚し,産褥リフォームインナーの着用を希望する着用腰痛群(72名)と,腰痛を自覚するが着用を希望しない非着用腰痛群(11名)の83名である。測定尺度には, Visual Analog Scale (以下, VAS)と,日本整形外科学会の腰痛疾患治療成績判定基準から日常生活動作スコア(以下, ADL score)を,理学的診察法にはPosterior Pelvic Provocation testと,仙腸関節痛誘発テストのうちGaenslen testを採用した。結果,着用腰痛群のVAS中央値(0〜100)は産褥4日目が30.2,産褥1ヵ月目が25.0で, ADL scoreの平均値(0〜14)は4日目が9.8 (3.5), 1ヵ月目が12.2 (2.5)でいずれも有意に改善した(P<0.001)。理学的診察法でも4日目の中央値(0〜4)が1.0, 1ヵ月目が0.0で有意に改善していた(P=0.001)。しかし,非着用腰痛群はいずれも有意な変化はなかった。また,すでに妥当性が得られているPosterior Pelvic Provocation testとGaenslen testの順位相関係数は1.000で有意な関係性があり, Gaenslen testの有用性が示唆された。
著者
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高橋 弘枝
大阪厚生年金病院
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福山 智子
摂南大学看護学部
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高橋 唯
大阪厚生年金病院
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小西 知子
大阪厚生年金病院
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西条 洋美
大阪厚生年金病院
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但馬 まり子
摂南大学看護学部看護学科
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赤井 由紀子
摂南大学看護学部
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