褥婦の腰痛の実態と介入 第1報 : 質問紙調査による腰痛の特徴と関連要因の検討
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概要
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褥婦の腰痛の実態と発症に関連する要因について検討することを目的に,正期産で単胎を経膣分娩した褥婦170名を対象に産褥4日目, 1ヵ月目, 2ヵ月目に質問紙調査を行った。その結果,産褥1ヵ月までの褥婦の約50%に腰痛がみられ, 23.9%は非妊時に発症していた。また, 8.6%は以前の妊娠から軽快しないまま妊娠しており,産褥4日目の腰痛自覚者のうちの21.5%が,産褥2ヵ月まで遷延していた。しかし,産褥4日目の腰痛レベルはVisual Analog Scale中央値(0〜100)が30.2,日常生活困難感を示す日常生活動作スコア(ADL score)中央値(0〜14)が11.0でいずれも強いものではなく,産褥2ヵ月目にはどちらも有意に改善していた(P=0.000)。自覚する腰痛部位は骨盤輪不安定性腰痛にみられる仙腸関節部,姿勢性腰痛でみられる腰背部の順に多かったが,それらを同時に自覚する者が多く,原因の異なる腰痛を合併している可能性が大きい。産褥4日目に腰痛のある者は腰痛のない者より妊娠中の静脈瘤が有意に多かったが(P=0.043),身体的・社会的および妊娠分娩に関する腰痛発症のリスク要因を,明らかにはできなかった。
著者
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高橋 弘枝
大阪厚生年金病院
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福山 智子
摂南大学看護学部
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高橋 唯
大阪厚生年金病院
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小西 知子
大阪厚生年金病院
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西条 洋美
大阪厚生年金病院
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但馬 まり子
摂南大学看護学部看護学科
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赤井 由紀子
摂南大学看護学部
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