長野県小谷村伊折集落の存続要件─集落外居住血縁者による支持の実態に注目して─
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
「限界集落」という用語・概念が社会的に認知されるようになってから,20年あまりが経過した。集落診断の結果「消滅」が間近にせまった集落を指す用語として登場した用語であったが,当時「限界集落」として分類された集落のうち,2011年時点で自然衰退によって消滅したものはないことが,山下1)によって明らかにされている。このことは,集落が消滅せずに存続するための何らかの要因や機能が当該集落,あるいは生活者に備わっていたことを示唆している。そこで本研究においては,「集落外に居住する家族や血縁者が,集落生活者の日常生活を支えるものであり,集落の存続要件のひとつとなっている」との仮説を立て,振興山村であり,かつ過疎指定を受ける長野県小谷村伊折集落を事例として調査・検討を行った。伊折集落は65歳以上人口比率が54.5%(2013年現在)であり,大野の定義に因れば「限界集落」に該当し,現在においても同様の状況が進行する集落である。本研究では,この伊折集落における生活を支える要件の把握を目的として,生活および経済面について家族構成との関連について考察を行った。 調査結果は仮説を否定するものであり,集落外居住の血縁者は当該集落の生活を支えるものではないことが明らかになった。
- 2014-06-25
著者
関連論文
- 都市近郊山村における農林家の現状と課題 : 神奈川県津久井町青根地区を中心に
- 地域開発と「連携」に関する一考察
- 森林教育研究の動向把握を目的とした予備的研究 : 『林業経済』誌掲載論文の分析を中心に
- 「環境問題と森林・林業」の視座(1996年春季大会コメント)
- 森林教育実施主体としての林業研究グループの現状と課題
- 群馬県川場村における民間宿泊業の現状と課題
- 「伝統的工芸品産業の振興に関する法律」の効果と課題
- わが国における野外教育の展開と森林教育(転換期の森林・林業教育の現状と課題(II))
- 転換期の林業普及制度
- 県産材認証の現状と課題 -認証制度に関するアンケート調査の結果より-
- 長野県小谷村伊折集落の存続要件─集落外居住血縁者による支持の実態に注目して─
- 《座談会》「自然保護教育と森林教育」