「医療経済評価研究における分析手法に関するガイドライン」の解説
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概要
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医療経済評価研究を行う際には,その透明性や比較可能性を担保するために,共通の枠組み基づいて分析を行う(あるいは少なくとも共通枠組みを用いた分析を含めること)が望ましい.多くの国々では,基本的な分析枠組みを定めた医療経済評価ガイドラインが医療技術評価機関あるいは研究者によって作成されてきた.アジア諸国においても,韓国・台湾・タイ・中国等においてはすでに医療経済評価ガイドラインが公表されている.我が国においては,白神らや鎌江らによって,医療経済評価ガイドラインの検討が進められてきた.それらをふまえ,平成24年度厚生労働科学研究費補助金 政策科学総合研究事業「医療経済評価を応用した医療給付制度のあり方に関する研究」班(福田班)において,医療経済評価の政策応用を見すえつつ,研究者向けの医療経済評価ガイドラインを作成したので,その内容やポイントを解説する.ガイドライン本文はWEB上に公開されており,(http://hta.umin.jp/guideline_j.pdf)より入手可能である.作成したガイドラインは,13章からなる.ガイドラインは教科書ではないことから,可能な限り簡潔な記述を心がけ,また星の数を用いて各項目の意図が明確になるよう配慮した.多くのガイドラインに含まれる医療経済評価の報告様式については,本ガイドラインには含めていないが,2013年3月にISPOR(国際医薬経済・アウトカム研究学会)で公開されたCHEERS声明が有用かもしれない.このようなガイドラインは,医療経済評価を行う際に様々な状況で使用してみることにより,その頑健性や実行可能性等が検討されるべきものである.作成したガイドラインは今後の様々なフィードバックにより,さらなる改善を目指していく必要がある.
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