農業従事者と留学生の接触場面に関する一考察 : 農業体験活動における調整行動に注目して
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概要
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本研究では,母語話者である農業従事者と留学生の接触場面での相互行為を,調整行動という視点から分析することで,母語話者と非母語話者との対等かつ互恵的な関係づくりに資する言語活動空間はいかなるものかを考察した。 分析の結果,農業体験活動中の調整行動として,母語話者による「農業体験の文脈,物,言葉の関連付け」,「易しい言葉への言い換え」「エピソード,物,言葉の関連付け」,「身近な話題の提供」・「話題への感銘」,非母語話者による「話題の修正」・「話題の提供」が抽出された。 また,農業体験活動中,母語話者と非母語話者という境界性を感じさせない対等な関係性に基づく環境が構築されていたことが明らかになった。このような言語活動空間の形成を可能にしたのは,農業従事者に底流する,農業への誇り,非権威的な人間観,他者に対する不断の興味,これら人生観が留学生との接触場面に影響を与えていたためであることを主張した。
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