対話的読解授業の試み -学習者が創る文化論に注目して-
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概要
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本稿では,対話的読解授業を通して,学習者は,「文化」という抽象的な概念をどう解釈したのか,学習者の書いたレポートの分析を行うことによって明らかにした。その上で,本授業の意義と課題を主張した。学習者のレポートを分析することによって,学習者の文化観,(1)集団の傾向性とて捉える視座,(2)文化相対主義的な視座,(3)可変的で多様なものとして捉える視座,(4)体験の中で作られていくものとして捉える視座,(5)他者との関係性によって作られていくものとして捉える視座が明らかになった。また,様々な読み物を読み,対話を重ねることによって,学習者の間に文化を集団の傾向性として捉えることに対する批判性が生まれ,文化を可変的で多様なもの,他者との関係性によって作られていくものとして捉える視座が生成されていったことを示した。
著者
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