終末期ケアにおける多職種連携・協働の実態 : 従来型特別養護老人ホームとユニット型特別養護老人ホームの異同を通して
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究の目的は,従来型特別養護老人ホームとユニット型特別養護老人ホームでの終末期ケアにおける多職種の連携・協働の実態を明らかにするとともに,両施設の結果を比較し,異同を考察することである.本研究では,終末期ケアに関わった複数の多様な意見を収集して,潜在的・顕在的な情報を収集して系統的に整理することから,グループダイナミクスを用いて情報把握を行うフォーカス・グループインタビューの調査法を用いた.その結果,従来型特養とユニット型特養の終末期ケアにおける多職種連携・協働で類似していたカテゴリーは,終末期ケア開始の宣言と多職種による情報共有,夜間の不安を支える体制づくり,本人や家族の意向を尊重したケアなど6点であった.一方で,異なった点は,(1)従来型特養はリスク管理と代替案を提示して,ユニット型特養は管理者の方針を反映して終末期ケアを実施,(2)従来型特養は分業型ケアを補完する意見交換を,ユニット型特養は継続的ケアを強化する意見交換をして連携・協働,(3)従来型特養は病院と連携したケアを,ユニット型特養は最期を自宅で看取る新しい試みに意欲が見られた,といった3点であった.本研究の結果を,他の従来型特養とユニット型特養で適用できるかどうかを確認するため,他の研究方法を組み合わせるなど多様な方向からの検証を検討したい.
- 2014-03-31
著者
関連論文
- 事例検討会形式によるケアマネジメント研修効果の検討
- 緩和ケア用MDS-PC日本語版の信頼性と有用性
- 英国にみるホスピス・緩和ケアプログラム--セント・クリストファー・ホスピス見学から見えてきたもの(下)
- 英国にみるホスピス・緩和ケアプログラム--セント・クリストファー・ホスピス見学から見えてきたもの(上)
- 退院支援システムの構築と退院調整看護師の役割 (特集 退院調整看護師(ディスチャージナース)の活躍と退院支援システムの構築)
- なぜいま退院支援なのか--医療制度および介護保険制度の改革の動向と退院支援のあり方 (特集 その人らしい生活を実現するための 退院支援)
- 特別記事 介護予防ケアマネジメントにおける医療・訪問看護の役割
- 連携をスムーズにする退院計画--診療報酬・介護報酬に着目した連携を (特集 入退院をめぐる病院との連携)
- フランスにおける医療・介護ケアシステムの動向--在宅入院制度による集中的ケアマネジメントを中心に (特集 地域包括ケアシステムをめぐる国際的動向)
- 療養病床における終末期ケアの実践--徐々に衰弱する要介護高齢者の看取り (特集 高齢者地域ケア・終末期ケアの実践)
- 退院支援のあり方--医療・介護保険制度改革の動向から (第8回日本赤十字看護学会学術集会) -- (シンポジウム いま何故退院支援なのか 退院後の安心を提供する医療連携のありかた)
- 診療報酬の動きのなかでの退院計画--亜急性期入院医療管理料との関係を中心に (特集 退院調整看護師の専任化の意義)
- 長期療養施設の終末期ケアから考える倫理的課題 (特集 在宅ケアにおける倫理を考える)
- 退院支援のシステム化と地域連携 亜急性期病床の意義と運営のポイント(1)亜急性期病床の作り方と運営方法
- 退院支援のシステム化と地域連携 亜急性期病床の意義と運営のポイント(2)亜急性期病床における退院支援の実際と課題
- 医療機関におけるソーシャルワーク実習教育に関する一考察 : 実習指導者へのインタビューを通して
- 高齢者の終末期ケアの質を高める4条件 : どこで看取るかではなく、いかに看取るか (特集 民医連の在宅医療の課題と展望)
- フランス終末期ケアの動向とわが国への示唆
- 終末期ケアにおける多職種連携・協働の実態 : 特別養護老人ホームと医療療養病床の異同を通して
- 終末期ケアにおける多職種連携・協働の実態 : 従来型特別養護老人ホームとユニット型特別養護老人ホームの異同を通して