三重項励起子を利用した低パワー光誘起屈折率変調 : 有機材料を用いた新しい光学材料システム(有機エレクトロニクス・フォトニクス)

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概要

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第2級アミンで置換した芳香族化合物をゲストとして,ホストである非晶状態のステロイド系化合物中にドープすることでゲスト分子の三重項励起状態寿命を秒スケールに長寿命化すると同時に,励起子密度を他の汎用高分子系ホスト材料にドープした際と比較して1000倍以上に高めることに成功した。これにより,従来の1/1000程度の励起光強度でゲスト材料の励起飽和状態に達成し,光学的性質の異なる状態へと変換することが可能となった。この特徴を利用することで光学的性質の一つである屈折率を10^2mW/cm^2程度の弱い励起光により変調し,光線経路が変化することを確認すると共に,材料の屈折率変化に付随して発現する過渡吸収を弱い励起光の範囲内で観測した。過渡吸収のクラマース変換により推測される屈折率変化はΔn=0.01であり,光誘起に伴う屈折率制御として従来の非線形光学システムとは異なる新しい材料システムを提案する。
一般社団法人電子情報通信学会の論文
2013-03-01

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