主張性の4要件尺度の改編と妥当性の検討 : 攻撃性との関連に焦点を当てて
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
本研究は,主張性を4要件(素直な表現,情動制御,他者配慮,主体性)によって捉え,以下の3つの目的を検討した.第一の目的は主張性の4要件尺度を改編すること,第二の目的は主張性の4要件と既存の青年用アサーション尺度および攻撃性との関連から,改編した尺度の妥当性を検討することであった.第三の目的は,改編した尺度を用いて,主張性が精神的健康に及ぼす影響を検討することであった.280名の大学生が質問紙に回答した.主張性の4要件尺度は,場面想定法ではなく,各要件に適度な項目数を有するように改編された.主張性の4要件と既存の主張性尺度,攻撃性の下位尺度の相関係数を算出したところ,他者配慮を除く3要件は従来の主張性尺度と共通する内容であり,言語的攻撃性との概念的類似性を示していた.他者配慮は従来の主張性尺度とは類似しない内容であり,認知的攻撃性と測定上混同されやすいことが示された.さらに一部の要件と精神的健康との問に曲線的な関係が見られた先行研究とは異なり,情動制御のような自己表現の実行を調整する要素が精神的健康に影響を及ぼす直線的な関係があることが明らかになった.以上から,改編された尺度の項目は,4要件の概念を正確に測定できる内容とはいえず,他者配慮の測定概念について課題が残った.
- 2013-09-30
著者
関連論文
- ひきこもりおよびひきこもり親和性を規定する要因の検討
- 高校生の主張性の4要件と友人関係における行動および適応との関連
- 高校生の友人関係における問題と主張性との関連
- 主張性の4要件理論に基づく尺度の作成
- 高校生時と大学生時における主張性の4要件と友人関係満足感との関連
- 高校生における主張性の4要件と精神的適応との関連
- 主張性の4要件尺度の改編と妥当性の検討 : 攻撃性との関連に焦点を当てて
- P1-36 主張性の4要件と共感性・シャイネスとの関連(原理・方法,社会,ポスター発表)
- PA030 教師から見た高校生の友人関係における問題(ポスター発表A,研究発表)