喀血を繰り返した特発性気管支動脈-肺動脈瘻の1例
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概要
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症例.55歳,男性.入院17年前に喀血を認めたがその後は特に症状を認めなかった.入院当日に突然胸部不快感が出現し,咳嗽と喀血を認めた.喀血が持続するため,入院となった.胸部造影CT上,右肺門部に血流豊富な腫瘤影を認め,右気管支動脈から肺動脈への交通が疑われた.気管支鏡検査では右下葉からの出血を示唆する所見を認めるのみであった.気管支動脈造影検査で右気管支動脈から右下葉の肺動脈への交通を認め,CT上有意な肺実質病変がないことから特発性気管支動脈-肺動脈瘻と診断した.その後,同部位に対して止血目的で気管支動脈塞栓術を施行し,軽快退院した.しかし,約4カ月後と6カ月後に再喀血を来した.気管支動脈造影検査で塞栓部位の血流の再疎通が認められたため,再度塞栓術を施行し退院した.結論.特発性気管支動脈-肺動脈瘻は極めて稀な疾患であるが,喀血を繰り返す症例では鑑別疾患として重要である.
- 2013-05-25
著者
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