自閉的行動をもつ幼児に対する質問行動の形成(事例研究)
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概要
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われわれは、自閉的行動をもつ幼児に対してフリーオペラント事態における指導を実施し、それに続いて机上の課題学習指導を導入した。絵カードの命名課題において呈示された絵カードの名前を言うことができないときに、その指導から逸脱する行動が認められた。そこで、Koege1(1995)に示唆を得て、わからないときに「これなに?」と質問するように指導した。今回われわれのとった手続きは、Kogel(1995)とは異なるものであったが、本児は質問行動を獲得し、指導から逸脱する行動は低減し、自発的な命名反応も増加した。さらに、フリーオペラント事態や日常の場面へも般化した。Koegelの手続きとわれわれのそれとを比較検討したところ、いずれの場合においても「これなに?」の質問が獲得されるためには、社会性強化子や他の自然強化子が有効に機能し、同時に物の名前を教えてもらって聞くことも強化機能を有する必要のあることが示唆された。
- 日本行動療法学会の論文
- 2000-03-31
著者
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