施設収容精神遅滞者の夜尿症治療における修正DBT手続きの臨床効果
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概要
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本研究の目的は2つあり,第1に施設収容精神遅滞者の夜尿症治療における修正DBT(Dry・BedTraining)の効能を検討すること,第2に本治療手続きが他の行動に及ぼす副作用を評価することであった。対象はDBT手続きや各種薬物治療に全く無反応であった5名の精神遅滞者(平均年齢23.7±49歳,平均IQ41.4±13.7)であった。DBT手続きの集中訓練と監視的事後訓練期間を通じて1Zの水分投与手続きが導入される修正DBT手続きが,7日間連続無夜尿の終了基準が達成されるまで用いられた。副作用評価に関してはAAMD適応行動尺度が使用された。結果は,(1)全対象者が平均32.4±22.5夜の治療で無夜尿となり,しかも平均16.8±4.9ヵ月の追跡を通して再発がないこと,(2)副作用はすべて陽性のものであり,それらは自己志向性,社会性,反抗的行動,適切でない応対の仕方,および心理的障害における劇的な改善を含んでいることを示していた。本臨床データの中から興味ある諸点が論議され,この修正手続きは現在使用中の他のいかなる方法よりもあらゆる点で優っていると結論される。
- 日本行動療法学会の論文
- 1987-09-30
著者
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