NDRAにおける玩具選定方法の信頼性
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概要
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拮抗行動の自然的分化強化(NDRA:natural differential reinforcement of alternative behavior;内田,1987)は、自閉症児の自己刺激行動を適応行動に変換するために開発・発展された方法である。その効力は強力であり、しかも人為的強化に必要な一切の操作指針が最適水準に自動調整されるという手続き上の利点も有している。だが、早急に検討しなければならない事項として、自己刺激行動の自然的感覚強化刺激を玩具操作行動に同定する方法、すなわち"体系的感覚消去によって検出された自然的感覚強化刺激と同種類の律動的・反復的な属性を具備した感覚強化刺激が自然に随伴されるような適切な玩具操作行動を選定する"という指針が、十分な信頼性を有しているのか否かの問題があげられる。そこで本研究では、この選定方法の信頼性を評価するために、NDRAの成功例について得られた玩具操作行動の般化勾配順位と10名の評定者による般化勾配の予測順位の比較を行なった。その結果、すべての相関係数が0.1%水準での有意相関であり、しかもそれらの係数間に高い同質性が確認された。本知見から、NDRAの適用に際しては、当該の指針だけで十分な成果が期待できるとともに、これ以上の定式化は特に必要ないと結論した。
- 日本特殊教育学会の論文
- 1989-06-30
著者
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