アブストラクト干渉モデルによる大規模ITS無線システムシミュレーションの高速化
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
ITS無線システムのシミュレーションは1つのフレームの送信が周辺のすべてのノードでの受信処理につながるため電波伝搬に関する計算量は膨大であり高速化が求められる.その一方で,モデルの抽象化による高速化はシミュレーション結果に影響を与えるため,精度と速度とのトレードオフを考慮する必要がある.本論文では,大規模なITS無線システムシミュレーションを想定し,シミュレーションを高速化するパスロスおよびフェージングのアブストラクトモデルを提案する.パスロス計算の高速化では,ある受信電力閾値以下の場合にキャッシュしておいたパスロスを利用する頻度を増やすことでパスロス計算を削減し高速化を行う.フェージング計算の高速化では,ある受信電力閾値以下の場合にフェージングの計算を省略することで高速化を行う.提案する手法をシミュレータに実装し,2波モデルとITU-R P.1411の2つの電波伝搬モデルを用いてシミュレーション実行速度とシミュレーション結果の変化を評価した.その結果,使用する電波伝搬モデルによらずシミュレーション結果への影響を最小限に抑えたうえで,最大55%〜70%のシミュレーション実行時間の短縮が可能であることを確認した.
- 2014-01-15
著者
-
東野 輝夫
大阪大学
-
山口 弘純
大阪大学
-
金田 茂
スペースタイムエンジニアリング(米国本社)|大阪大学
-
前野 誉
株式会社スペースタイムエンジニアリング
-
高井 峰生
大阪大学|カリフォルニア大学ロサンゼルス校
関連論文
- BP-7-5 オーバレイ・エージェントプラットフォームPIAXとその展開(BP-7.プラットフォーム化へ向かうユビキタス・センサネットワーク,パネルセッション,ソサイエティ企画)
- 「次世代のインターネット/分散システムの構築・運用技術」の編集にあたって
- FDTって何?(コンピュータと通信)
- 交差点での無線ネットワークを用いた歩行者の移動軌跡の推定手法(位置情報)
- 交差点での無線ネットワークを用いた歩行者の移動軌跡の推定手法(位置情報)
- 安定性の高い経路を構築する車車間ルーティングプロトコル(ITS,マルチメディア,分散,協調とモバイル(DICOMO2005))
- 安定性の高い経路を構築する車車間ルーティングプロトコルGVGridの性能評価(アドホックネートワーク(2))
- 安定性の高い経路を構築する車車間ルーティングプロトコルGVGridの性能評価(アドホックネートワーク(2))
- 特集「分散処理とネットワークサービス」の編集にあたって
- 路車間通信における無線リソースの最小化に関する検討
- アブストラクト干渉モデルによる大規模ITS無線システムシミュレーションの高速化
- アブストラクト干渉モデルによる大規模ITS無線システムシミュレーションの高速化
- DTNを対象としたONEシミュレータとScenargieの機能比較と考察(一般,モバイルアプリケーション,ユビキタスサービス,モバイル分散クラウド,モバイルアドホックネットワーク,センサネットワーク,モバイルネットワーク及び一般)
- LEDによる通信・測距デバイスを用いた協調型車両位置推定手法の提案(交通における計測,一般)