高齢者虐待の兆候察知における介護支援専門員の課題 : 福岡市・北九州市の介護支援専門員の現状と意識
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概要
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本稿の研究目的は,福岡市・北九州市の介護支援専門員(以下,CM)に焦点をあて,CMが高齢者虐待につながりやすい兆候(以下,虐待兆候)を理解する重要性と実際の認識状況等を明らかにし,兆候発見者としてのCMの課題を検討することである.本稿では,厚生労働省による高齢者虐待の調査結果および先行研究等から,CMによる虐待兆候の察知の重要性を述べた.次いで,筆者が実施した福岡市・北九州市の居宅介護支援事業所のCMへのアンケート調査結果を検討し,(1)高齢者虐待の遭遇経験,(2)地域別・世帯別の虐待兆候がある高齢者の担当状況,(3)基礎資格による虐待兆候のとらえ方等を明らかにした.結果,福岡市・北九州市のCMの虐待遭遇経験の多さが明らかになった.虐待兆候の発見が期待されるCMの主な課題として,(1)虐待兆候の理解促進(生じやすい世帯等),(2)基礎資格によるとらえ方の違いの是正,(3)今後の研修体制や学習の充実等が考えられた.
- 一般社団法人日本社会福祉学会の論文
- 2013-08-31
著者
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