養殖生簀の潜水後に発症した減圧症の一例
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概要
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症例は49歳、男性、マグロ養殖業に従事しており、当日は養殖の生簀の中で潜水作業を4-5時間行っていた。17時頃夕食を摂取し、その後急に呼吸困難、胸部圧迫感、全身倦怠感が出現し自家用車で来院した。来院時意識は清明、両肺野にwheezingを聴取し、体幹に赤い斑状の皮疹を認めた。SpO2はroom airで73%と低下し、CT撮影中には寝返りもできないほどの麻痺が出現した。胸腹部CTでは門脈、肺静脈、脊柱管内にガス像をみとめ、減圧症の診断で高圧酸素療法(2.5気圧、2時間)を行った。初回の高圧酸素療法後にはほとんどのガス像は消失し、自覚症状も改善し、2週間後には後遺症を残さず退院となった。
- 2013-09-25