医療用Gd造影剤投与後のGdおよび体内微量元素のラット体内分布に関する基礎的検討 : MRI法と放射化分析法による検討(平成22年度京都大学原子炉実験所専門研究会,研究紹介)
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概要
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重篤な腎機能障害をもつ患者へのMRI用Gd造影剤の投与は,腎性全身性線維症(NSF :Nephrogenic Systemic Fibrosis)を引き起こす可能性がある.その原因は,腎機能障害患者に投与された造影剤が,体内に長時間残留することに起因するのではないかと考えられている.本研究の目的は造影剤投与後のGd残留や体内微量元素の分布に,腎機能低下が及ぼす影響について検討することにある.そこで腎不全モデルと健常のラットにGd造影剤オムニスキャンを通常使用量の25倍投与し,投与1時間,1日,2日後に腹部のMRI撮像を行い,体内(腎臓・肝臓)のGd濃度の経時的変化を測定した.その後解剖し,9組織を摘出,凍結乾燥した後,中性子放射化分析法を用いてGdおよび体内微量元素の定量を行った.MRI法では腎不全モデル群と健常群の間に違いを認めることができたが,その濃度は殆ど直線性範囲以下となるため,本法では定量的に経時的変化を追うのは困難であることが考えられる.一方,放射化分析法ではMRI法の検出範囲以下のGd量を定量することができ,その結果,腎不全モデル群と健常群の間に違いを認めた.さらに体内微量元素の定量に関しても群間に違いを認めた.しかしこの違いにGd投与による影響と腎不全による影響がどれくらい関与しているのか,今後検討する必要がある.
- 2011-11-00
著者
-
鷲山 幸信
金沢大学大学院医学系研究科量子医療技術学講座
-
天野 良平
金沢大学大学院医学系研究科量子医療技術学講座
-
天野 良平
金沢大学医学部
-
高宮 幸一
京都大学原子炉実験所
-
天野 良平
金沢大学医学部保健学科
-
鷲山 幸信
金沢大学医学部保健学科
-
服部 知里
金沢大学医学部保健学科
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