子宮頸部上皮内腫瘍合併妊婦の対応と予後

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【目的】子宮頸部細胞診異常の妊婦の精検の意義は,浸潤がんを否定することにあるが,妊娠中の細胞診やコルポスコピーは,粘液増加,易出血性,膣壁の膨隆などで,判定が困難になりがちである。当施設の子宮頸部上皮内腫瘍(CIN)合併妊婦の対応と予後について報告する。【方法】対象は,過去6年間の妊婦のCIN 75例で,原則として妊娠初期に,コルポスコピーを行い異常所見部位から組織診を行った。妊娠後期にも細胞診を行い,産後2ヵ月で再度のコルポスコピー,細胞診・組織診にて治療方針を決定した。また, CIN合併妊婦41例から同意を得て子宮頸部擦過細胞を採取し,ヒト乳頭腫ウイルス(HPV)の検出・型同定を行った。【成績】妊婦のCIN 75例中, CIN1は25例(33.3%), CIN2は16例(21.3%), CIN3は34例(45.3%)であった。産後の再検で,悪化例はなく不変が51例(68.0%),改善が24例(32.0%)であった。25例に産後に円錐切除を行い, 21例がCIN3(上皮内腺がん1例を含む), CIN1とCIN2が3例,浸潤がん1例であった。CIN合併妊婦のHPV陽性率(16型陽性率)は,65.9%(26.8%)であった。【結論】CIN合併妊婦は,診断後,妊娠中は経過観察し,産後に再検して治療するという従来の方法が望ましいと思われる。また, HPV陽性妊婦ではハイリスクの16型陽性率が高い傾向にあり,産後も引き続き検査していく必要がある。
2013-07-00

子宮頸部上皮内腫瘍合併妊婦の対応と予後

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