小・中学校において弱視児が感じる困難とその対応 : 教科学習に着目して
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概要
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小・中・高等学校に在籍する弱視児の中には公的な支援を受けず学校生活を送っているものも多くいると考えられる。本研究は、小学校あるいは小・中学校に在籍した経験のある弱視者8名を対象に半構造化面接を行い、教科学習で感じていた困難や支援体制を明らかにすることにより、今後のインクルーシブ教育実現に向けた支援のあり方を考える手がかりとすることを目的とした。その結果、全体としては文字の読みや指示語での説明に関する困難が多かった。一方、各教科の特性としては、実技を伴う教科(理科・体育等)には作業や活動への参加の困難が、主要教科(社会・算数等)では資料や文字処理の困難があることが示された。最後に、小・中学校に在籍する弱視児の支援には(1)授業への主体的な参加を促す指導、(2)補助具の紹介・指導、(3)見やすい教材の提供、(4)使いやすい用具の紹介・教示、(5)具体的な説明、(6)障害の理解・周知、(7)移動の際の配慮の7項目が重要であると考えられた。
- 2013-03-29