読解学習場面における聴覚障害児の理解過程に関する研究 : 教師の働きかけと児童の反応との関連を中心に
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概要
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本研究は、読解学習場面における聴覚障害児の理解過程を明らかにするために、聴覚口話法を用いる児童2名を対象に、読解学習場面における教師の働きかけと児童の反応との関連を検討した。その結果、対象児の事実把握レベルの理解過程は異なることが推察されたが、いずれも、事実把握レベルの要求により直ちに理解が促されるのではなく、教師の働きかけにより困難や誤反応が修正され、理解が図られていくことが明らかになった。一方、推論レベルの理解に必要な文章情報を教師が提示、確認しても、推論レベルの理解が図られるとは限らないことが示された。しかしながら、経験や知識の確認により児童の正反応が多く促されたことから、児童の有する経験や知識の利用が推論レベルの理解に寄与すると考えられた。
- 障害科学学会の論文
- 2012-03-30
著者
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