シイタケ栽培用培地へ添加する水の重金属等の濃度が子実体への重金属等の蓄積に及ぼす影響
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概要
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シイタケ(Lentinula edodes (Berk.) Pegler)栽培用のおが粉培地へ添加する水について,重金属等の濃度を水道水質基準以上に調製し,発生した子実体(菌傘)の各金属濃度を調べた。供試金属はカドミウム,鉛,ヒ素および水銀とし,供試水の濃度は水道水質基準の1〜16倍とした。その結果,鉛を除く3金属は供試水の濃度が高くなるに従って菌傘中の濃度が増加する傾向を認めた。また,これら3金属は水道水質基準と同濃度の水を使用した場合でも菌傘中の濃度が水質基準よりも高くなり,おが粉あるいは栄養材由来の重金属等が子実体へ蓄積したと考えられた。カドミウムでは水道水質基準の8倍区および16倍区において,菌傘中の濃度が水質基準のそれぞれ約60倍および約70倍となり,子実体中における濃縮が考えられた。ヒ素については水道水質基準の1〜8倍区において,菌傘中の濃度が供試水および培地基材中の濃度よりも高くなり,子実体中での濃縮が考えられた。これらの結果に基づいて,シイタケの食品安全性を確保する観点から,培地へ添加される水の重金属等について基準設定の必要性を考察した。
- 2013-08-01
著者
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