急性心不全を契機に診断された心サルコイドーシスの1例

概要

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症例は54歳男性で、2011年某月に、急性発症した高度呼吸困難により救急搬送された。胸部レントゲンで心拡大を認め、BNP値は2000pg/mLと高値を認め、急性心不全と診断された。カルベジロール3.75mg/日、エナラプリル1.25mg/日、フロセミド20mg/日とアミオダロン100mg/日を投与され退院した。冠動脈CT検査で、冠状動脈に有意狭窄は認めなかった。心臓超音波検査では、左室駆出率21%で、著明な左室収縮能の低下と左室拡張を認めた。 1ヶ月後、心筋症精査目的に東京女子医科大学循環器内科に入院した。心筋生検では、炎症細胞浸潤とラングハンス型巨細胞を認め、免疫組織化学ではCD68陽性であった。Ga-67シンチグラフィ検査およびPET-CT検査では心臓のみに集積を認めた。心臓MRI検査ではガドリニウム遅延造影で陽性所見を示した。以上より、心筋症は心サルコイドーシスに起因するものと診断された。その後、両室ペーシング機能付き植込み型除細動器植込み術を施行し、プレドニゾロン投与を開始した。我々は、急性心不全で発症し、心サルコイドーシスと診断された貴重な症例を経験したので報告する。
2013-08-25