親しい友人間における「いじめ」と性差 : 小学生の場合
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概要
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親しい友人間におけるいじめと性差について,いじめの加害体験と被害体験とに分け,友人への満足度,社会性関連因子(協同・自己主張),排他性関連因子(気分・行動)との関連を検討した.本研究は,三島浩路(2003)の追研究である.小学校5・6年生285名を対象とした.しかし,回答票回収時の不手際により,性差の分析は,男子85名,女子77名を対象とした.因子分析(主因子法,プロマックス回転)及びパス解析を行い,次のような結果が得られた.加害体験と被害体験は密接に関連しており,加害体験では,友人への満足度と負の関連が,被害体験では,男子に友人への満足度と負の関連が有意であった.また,社会性関連因子と排他性関連因子とは負の関連にあり,加害体験では,女子の「社会性・自己主張」と負の関連が,男子の「排他性・気分」及び全体(男女込み)の「排他性・行動」と正の関連がみられた.被害体験では,女子の「社会性・自己主張」が負の関連を,「排他性・行動」と正の関連が,全体の「排他性・気分」と正の関連がみられた.親しい友人間のいじめにとって,社会性関連因子は抑制的に,排他性関連因子は促進的に働くことが示唆された.
- 2009-12-20
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