小学校社会科教科書の他動詞の使用について・連語論の観点から : 子どもに対する教科学習の日本語支援のために
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概要
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小学校社会科教科書は、理科教科書と比較して、抽象度が高く、また複雑な連語が使用されており、言語学的に難しい教科書である。このことについて、他動詞とそれを組み合わさる「を格」の名詞とに注目し、連語論的な観点(連語のなかで他動詞がどのような語彙的な意味で用いられており、「を格」の名詞とどのようなむすびつき方をしているか)から分析を行い記述する。 そして、日本語を母語としない子どもに対する教科学習の日本語支援という立場から、社会科教科書では、多義語である他動詞が<基本的な意味>のほか、<派生的な意味>で使用されることも多く、言語学的な難しさがあることを述べ、教師が、教科における日本語の特徴の難しさを理解した上で、子どもたちが日本語母語話者ではないことや、日本での生活経験が浅いということをきちんと認識して、子どもたちへの配慮を忘れないで指導するということが大切であることを確認する。また、他動詞について指導する際には、連語という単位で扱うことが有効であることを述べる。
- 2008-09-29
著者
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