看護師の専門職的自律性と基本的属性との関係
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
背景 近年, 高齢化による疾病構造の変化に伴い, 人々の医療に対するニーズはますます高まっている. このような現状の中で, 看護は専門職として, その役割を遂行することが求められている. 目的 看護師の専門職自律性と基本的属性との関係を明らかにすることを目的とした. 方法 菊池が開発した看護の専門職的自律性尺度 (菊池 1996) を用い, 高度医療専門機関の看護師1757名を対象にし, 年齢, 臨床経験年数, 設置主体, 臨床領域, との関連を探った. 結果 専門職的自律性の因子分析の結果5つの因子 「看護の実践能力」 「看護の展開能力」 「アセスメント能力」 「自立的判断能力」 「予測能力」 が抽出された. 専門職的自律性と最も関係が見られたのは経験年数で5つの因子とすべてにおいて有意差がみられた. 設置主体, 臨床領域は 「予測能力」 のみに有意差があった. 考察 経験数6〜10年未満の看護師は看護の実践能力, 看護の展開能力, アセスメント能力, 自立的判断能力, 予測能力とも3〜6年未満の看護師に比べ平均点は有意に高かった. 理由として, 10年前に比べ, 結婚し出産しても, 働くことができるような環境が整ってきたこと, 継続教育の充実, キャリアアップの教育の整備, また, 看護基礎教育においても1995年以降, 看護系大学の増加, 大学化による研究者の養成, 学問的研究活動の推進などが図られてきたことも影響していると考える. 結語 平成22年度より厚生労働省で新人看護職員の卒後研修が努力義務化されている. 早期離職, 医療安全, 看護の質の向上のため臨床では忙しい中で研修を行っている. こうした取り組みが今後の看護の自律性に良い影響を与えることを臨まずにはいられない.
- 聖泉大学の論文
- 2012-04-00
著者
関連論文
- 新設看護学部における看護実践能力育成のための看護技術項目の検討
- 看護師の専門職的自律性と基本的属性との関係
- A県における訪問看護ステーションの24時間オンコール体制の実態 : 管理者へのアンケート調査から