茶園うね間の整せん枝残さ堆積による亜酸化窒素の発生
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
近年,茶園においては,茶園管理の機械化等に伴う樹高抑制のため,二番茶収穫後に毎年せん枝を行う生産者が増加した.このため,茶園の施肥位置であるうね間において,整せん枝残さが堆積している状況が多く見られるようになった.このうね間環境下において,施肥を行うと施肥効率の低下が懸念されたため,施肥窒素の動態について亜酸化窒素発生量を中心に調査した.整せん枝残さの亜酸化窒素生成能は,その残さ下土壌に比べ極めて高かった.また,残さからの亜酸化窒素の発生は,脱窒由来の可能性が高いと考えられた.整せん枝残さ堆積下における亜酸化窒素発生量をクローズドチャンバー法で測定した結果残さが堆積している環境下では102kg N_2O-N ha^<-1> y^<-1>が発生し,残さが堆積していない場合の21kg N_2O-N ha^<-1> y^<-1>に比べ極めて多くなった.また,残さを深耕処理によって土壌へ鋤込むことにより,亜酸化窒素発生量を59%削減することができた.茶園うね間の整せん枝残さ堆積下における亜酸化窒素の多量発生は,これまでに指摘されている多施肥窒素量,高炭素量,低pHが堆積した整せん枝残さに備わり,そこに嫌気状態もしくは拡散環境の変化が加わることで亜酸化窒素の多量発生に繋がっていると考えられた.
- 一般社団法人日本土壌肥料学会の論文
- 2012-08-05
著者
-
今村 嘉博
滋賀県農業技術振興セ
-
志和 将一
滋賀県農業技術振興セ
-
西野 英治
滋賀農技セ 茶指
-
西野 英治
滋賀県農業技術振興センター茶業指導所
-
今村 嘉博
滋賀県農業技術振興センター
-
志和 将一
滋賀県農業技術振興センター
-
西野 英治
滋賀県農業技術振興センター:(現)東近江農業農村振興事務所
関連論文
- 茶園うね間における整せん枝残さ堆積の実態とそれが施肥窒素の土壌における動態に及ぼす影響
- 茶園における土壌バイオマスとその窒素の代謝回転速度
- ヨシ帯を利用した茶園排水中硝酸性窒素の浄化
- 1-13 茶園うね間における整せん枝残さ堆積の実態とそれが施肥窒素の動態に及ぼす影響(1.物質循環・動態,2010年度北海道大会)
- 茶園土壌における被覆尿素肥料の溶出とチャの吸収利用
- 茶園における年1回施肥と生分解性マルチを利用した窒素溶脱防止
- 被覆肥料の茶園全面施用による施肥効率の向上
- 茶園うね間の整せん枝残さ堆積による亜酸化窒素の発生
- 茶園うね間における整せん枝残さ堆積の実態とそれが施肥窒素の土壌における動態に及ぼす影響
- 茶園うね間の整せん枝残さ堆積による亜酸化窒素の発生
- タイトル無し