老年看護学実習における事前に提供された受け持ち患者情報を活用した演習取り組みの効果 : 受け持ち患者情報から見つける看護の視点
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概要
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本研究は、実習初日に取り組んでいる学内演習の学習効果を明らかにすることである。老年看護学実習を終了した学生を対象に(1)演習終了直後の学びや気持ちの変化と(2)実習終了後に演習が実習全体にどう活かされたのかや気持ちの変化についての記述を求め分析した。演習終了直後では、【イメージすることにより広がる看護の視点】【実習への原動力】【自己学習の深まり】【実習に向けた心の準備】【対象を捉えようとする力】の5つのカテゴリーが抽出された。実習終了後では、【イメージと実際のギャップからの学び】【イメージを活用したケアの実践】【心構え・意欲】【演習経験の実習での活用】【事前学習への取り組み】【高齢者とのコミュニケーションへの活用】の6つのカテゴリーが抽出された。実習初日、病棟に行く前に受け持ち患者の状況や援助場面を具体的にイメージし実践できたことは、対象理解に留まらず、実習に向けての心の準備や原動力となったといえる。また、病棟で患者と出会い、事前に提供される限られた情報から患者をイメージすることへの限界と現実とのギャップを踏まえ、必要な情報の追加や修正をしつつ、対象理解のための能動的な学習行動への動機づけになったと考えられる。演習の成果として、演習の目標は概ね達成されたといえるが、対象である高齢患者のリアリティを高めていくなど演習環境を整える必要性が示唆され、今後の課題といえる。
- 2012-00-00
著者
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