天草市本渡方言のアクセント : 動詞句のアクセント
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概要
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西南部九州2型アクセントのうち,長崎アクセントと鹿児島アクセントについては,これまでの調査研究により,その詳細がかなり明らかになった。その結果,両者の共通点や相違点も次第に明確になってきた。本稿で取り上げる熊本県天草市の方言は,地理的にも言語的にも,長崎市と鹿児島市の中間に位置しており,西南部九州2型アクセントの成立過程を解明する上で,重要な位置を占めている。本稿では,天草市本渡方言のアクセントについて,以下のことについて報告する。(1)天草市本渡方言のアクセント体系は2型アクセントで,A型は最初から数えて2拍目が高く,その後で下がる型,B型は高く始まり平らな型である。(2)アクセントの及ぶ範囲は,基本的には文節である。動詞句では,動詞+サスル(使役),動詞+バッテン(逆接)などは,1つのアクセント句を形成するが,動詞+トル(結果),動詞+キル(能力可能)などは,2つのアクセント句を形成する。
- 2011-11-00
著者
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