認知症高齢者の日常生活ケアに関わる「選択の表明」能力と「論理的思考」能力の特徴
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概要
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本研究の目的は,認知症高齢者の意思決定を支援するための方策を検討するために,彼らの「選択の表明」と「論理的思考」に注目し,この2つの能力の特徴を,日常生活のケアに関わる選択の場面への回答を評価する試みから捉えることである.特別養護老人ホームに居住する認知症高齢者24人を対象に,日常生活のケアに関わる選択の回答を求める面接調査を行った.その結果,提示された選択肢の中から何らかの選択を表明することは比較的容易であるものの,その選択が一定の時間を経た後で変化するかどうか,その変化に認知機能の障害が影響するかどうかは,選択を求められた設問の内容によって左右される可能性が示された.一方で,こうした変化の有無に関わらず,表明された選択の多くには,対象者なりの理由が存在していることも示され,認知症高齢者の「選択の表明」能力と「論理的思考」能力は,認知症の診断や認知機能の障害と単純に結びつけて論じられるものではない可能性が示唆された.
- 2009-03-31
著者
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