高齢者の自己効力感に関するわが国の看護研究の動向と課題
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概要
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本稿の目的は、高齢者の自己効力感に関する研究の動向を整理・分析し、老年看護領域での活用につながる課題を考究することである。文献検索の結果、自己効力感が高齢者に直接関連する事象に対して用いられていた32件を分析対象とした。高齢者を対象とした文献の数は、1997年から徐々に増えて2001年以降急増しているが、老年看護領域における研究は横ばいであった。自己効力感については、測定用具の開発、特定場面・要因との関係性検討、上位概念の説明変数という形で取り扱われ、一様にその有用性や今後の可能性への検討が重ねられていた。老年看護領域での文献数の少なさと、他の学問領域で示されてきた成果とを照らし合わせて考察した結果からは、今後の課題として、老年看護領域にとっての自己効力感の意義を明示していくこと、看護として注目するテーマに適した測定用具を充実させること、自己効力感への具体的な介入方法を提示することへの取り組みが求められる。
著者
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