聞いたのはこちらなのに… : 外国人と身体障害者に対する「第三者返答」をめぐって
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
話し手が,話しかけてきた話し相手が有する外見的特徴などの言語外的条件に基づき,(話し相手との意思疎通に問題がないにも拘らず)その話し相手を無視し,話し相手と一緒にいる第三者に返答することが観察される.本稿では,この行動を「第三者返答」と呼ぶことにし,言語社会心理学のアコモデーション理論の観点から「過剰適応」の一種として考察する.外見的に明らかに外国人と判断される外国人,および車椅子使用者に対する言語行動を対象とした複数の調査を通して,第三者返答の存在を確認し,その頻度と具体例について分析し,社会言語/心理学的に位置づける.そして,第三者返答を引き起こす主な要因として,話し手が抱く,意思疎通の可能性に対する想定や先入観(外国人の言語能力に関する経験やステレオタイプ,身体障害者に対する知識不足から生じる障害の性質についての誤解)を指摘する.
- 2005-03-30
著者
関連論文
- 第26回研究大会ワークショップ : 言語的均質性の彼方に-国語に消されたことばとの出会い-
- 第24回研究大会ワークショップ : 持続可能な社会の実現に向けて私たちのできること-ウエルフェア・リングイスティックスを目指して
- 聞いたのはこちらなのに… : 外国人と身体障害者に対する「第三者返答」をめぐって