地域ケア推進のための地区会議運営に関する評価 : A市における地区会議の事例調査研究
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概要
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平成12年,介護保険制度導入後のA市保健・医療・福祉サービス調整推進会議(以後,サービス調整会議と略す)の下位組織である6ブロック会議からC,Eブロック(以後,地区と略す)を選び,その地区会議運営(過程)に関する評価を試みた.地区会議では地域住民のニーズとその対応方法の検討,事例検討等を通じて,サービス調整会議への課題の提言等をしている.関係者から研究的立場での参加が許可された,C,E地区に平成13年9月から1年間オブザーバーとして出席し,記録と会議の資料等により状況を把握した.会議の内容を,(1)行政制度・施策,(2)地域ケア,(3)利用者への個別ケアに分類して,課題(問題点)が提起された議題について協議結果を,(1)解決(○),(2)一部解決(△),(3)保留・解決せず(×)に分類して判定した.事例検討の結果,提出者より提起された課題への解決策に対する提出者の対応状況,およびその結果・課題の解決状況を提出者より聞き取った結果を参考にして,対応・一部対応・対応せず,また,解決・一部解決・解決せずの3分類を用いて定性的評価を行った.地区会議への出席者は行政関係者およびケアマネジャー等であり,利用者のニーズを充足するための協議,困難な課題を有している事例の検討を行っているが,必ずしも問題解決に至っていない.事例が有している困難な課題として,「精神的不安定」「家族への対応困難」「入退院上の問題」が比較的多かった.多機関・多職種が参加する地区会議運営の課題は,利用者のニーズ把握,サービス提供方法,評価等に関する専門的知識・技術を参加者が共有し,効果的な協議を通じて課題解決を図ることである.
- 2006-10-01
著者
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