日本における空気中ダニアレルゲン測定法としてのシャーレ法の評価

概要

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【背景】室内環境中アレルゲン暴露量の測定には様々な方法が用いられている.吸入性アレルゲンの場合は,室内塵よりも直接空気中のアレルゲン濃度を測定するほうが適切である.【目的】空気中の主要ダニアレルゲン(Der 1)量を測定する方法として,シャーレ法を評価した.【方法】一家庭の寝室においてシャーレ,医療用テープ,掃除機を用いて2年間試料を採取した.また喘息患者42例の寝室においてシャーレと医療用テープを用いて試料を採取した.試料中Der 1量は,高感度蛍光ELISA法を用いて測定した.【結果】シャーレ法による全ての試料からDer 1が検出された.シャーレを設置した高さが低いほどDer 1量が高値であった.2枚のシャーレを並べて同時に採取したDer 1量の変動係数は約15%と良好であった.シャーレ法によるDer 1量は夏から秋に増加し冬に減少するという季節変動が認められた.【結論】空気中のアレルゲン粒子を堆積塵として捕集するシャーレ法はサンプリングが簡単であり,エアサンプラーによる吸引法などの代わりに大規模な疫学調査などに応用できる可能性がある.
2012-11-30