Cyclamen spp. の RAPD および ISSR マーカーによる類縁関係の評価
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概要
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RAPD および ISSR 法により,シクラメン(Cyclamen)属内における種および個体間の遺伝的変異を評価し,類縁関係を推定した。シクラメン属野生種(C. persicum, C. coum, C.purpurascens, C. africanum, C. hederifolium, C. graecum およびC. rohlfsianum)および園芸品種(C. persicum cv.カールソ,ネオゴールデンガール)の計 7種 24個体について,17種のランダムプライマーおよび 11種の ISSR プライマーを用いた多型解析の結果,453 のバンドが検出され,全てのバンドで多型がみられた。そのうち,55 のバンドは種特異的であった。多型データに基づく AMOVA 解析の結果,遺伝的変異は種内と比べて種間で大きく,種の分化が明確に示された。同データによる数量化理論III類より 7種は 4つのグループに分けられた。そこで,野生種のみのデータを用いた UPGMA 法によるクラスター解析を行った結果,7種は 3つのクラスターを構成し,シクラメン属内の亜属を Psilanthum, Gryophoebe, Cyclamen および Eucosme とする,既報の分類仮説と一致した。本研究は,RAPD および ISSR マーカーを用いてシクラメン属内の類縁関係を示した最初の報告であり,これらマーカーによるシクラメン種の識別の可能性を示唆した。
- 2013-03-18
著者
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和久井 健司
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科
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藤垣 順三
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科
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丹羽 克昌
東京農業大学農学部
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和久井 健司
東京農業大学短大
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小松 憲治
東京農業大学短期大学部生物生産技術学科
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藤垣 順三
東京農業大学名誉教授
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丹羽 克昌
東京農業大学農学部農学科
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岡部 慎也
東京農業大学農学部農学科
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