都市化により分断化された水田におけるトウキョウダルマガエルRana porosa porosaの分布と環境要因の関係
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概要
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開発が進む都市近郊の平地水田において、トウキョウダルマガエルの分布実態、および局所的・景観的なスケールの環境要因が分布に与える影響を明らかにすることを目的とした。東京都府中市および国立市に存在する146の水田団地(水田および水田に接する末端水路)を対象に、鳴き声による分布調査および環境要因の計測を2009年および2010年に行なった。また、GISにより水田団地面積、および水田団地の周縁から発生させたバッファ内に含まれる他の水田団地の面積率(周辺水田率)を計算した。53地点で本種の生息が確認された。一般化線形モデルを用いた多重ロジスティック回帰分析の結果、水田団地面積、畦の植被率、非灌漑期の通水、土水路およびバッファサイズ300mの周辺水田率が本種の出現に対して正の関係を示した。このことから、本種の分布状況は、局所的要因と景観的要因の両方から影響を受けていることが示唆された。水田団地面積が小さく、分断化されやすい都市近郊地域においては、水田団地すなわち生息場の大きさが本種の生息に特に重要だと考えられた。また、畦の植生の増加、非灌漑期の水路の通水、土水路の維持等の生息場の質の向上を図ること、および水田団地の孤立化を防ぐこと(周辺水田率の維持)も本種の保全に寄与すると考えられた。
- 2012-11-30
著者
-
山本 康仁
都立広尾病院
-
千賀 裕太郎
東京農工大学大学院連合農学研究科
-
千賀 裕太郎
東京農工大学大学院共生科学技術研究院
-
山本 康仁
東京農工大学農学府:(現)国土交通省北海道開発局
-
千賀 裕太郎
東京農工大学農学府
-
千賀 裕太郎
東京農工大学
-
山本 康仁
東京農工大学大学院農学府
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