十二指腸前門脈の合併による総胆管拡張を示したプルーンベリー症候群の1例
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
プルーンベリー症候群(PBS)に合併した肝胆道系の異常の報告は稀であり,十二指腸前門脈(PDPV)を合併した症例の報告は今までない.症例は7か月男児.腹壁筋低形成,巨大膀胱,両側停留精巣を呈するPBSに高位鎖肛(直腸膀胱瘻)を合併し,新生児期に人工肛門造設術を行った.1か月頃から上部消化管通過障害,白色便および肝機能障害を伴う胆道拡張がみられ胆道拡張症が疑われた.7か月時に手術を行ったところ,術中造影で膵外の下部総胆管の急峻な狭窄を認めたが膵胆管合流異常および肝内胆管の拡張はみられず,PDPVを認め,これにより外因性の十二指腸・胆管の圧迫がおこっていたと考えられた.そのため肝管空腸吻合再建に加えて胃空腸吻合ならびにBraun吻合を行った.本例の総胆管拡張の原因として十二指腸前門脈による外因性の胆道の圧迫が関与していたものと考えられた.
- 2012-10-20
著者
-
木下 義晶
九州大学大学院医学研究院小児外科
-
田口 智章
九州大学大学院医学研究院小児外科
-
小幡 聡
九州大学大学院小児外科
-
川久保 尚徳
九州大学大学院小児外科
-
代居 良太
九州大学大学院医学研究院小児外科
-
東 真弓
九州大学大学院医学研究院 小児外科
-
木下 義晶
九州大学大学院小児外科
-
田口 智章
九州大学大学院 医学研究院 小児外科学分野
-
代居 良太
九州大学大学院小児外科
-
川久保 尚徳
九州大学大学院医学研究院小児外科学分野:福岡市立こども病院小児外科
-
川久保 尚徳
九州大学大学院医学研究院小児外科学分野
関連論文
- 16.キメラ遺伝子解析が診断に有用であった腎腫瘍の1例(第38回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)
- 2.EWS-ERGキメラ遺伝子を発現したEwing sarcoma family tumor(ESFT)の1例(第38回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)
- 14.九州大学病院小児科・小児外科における横紋筋肉腫の検討(第39回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)
- 13.大量化学療法を含む化学療法,放射線治療後に全摘し得た膵芽腫の1例(第39回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)
- 3.卵巣粘液性嚢胞性腫瘍の2小児例(第39回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)
- 2.九州大学院小児医療センターにおける進行神経芽腫の治療成績(第39回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)
- 14.左側ウィルムス腫瘍を発症したDenys-Drash症候群の1例(第38回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)
- Fryns症候群に重症先天性横隔膜ヘルニアを合併した極低出生体重児の1例
- 8.2008年に経験した肝芽腫PRETEXT IIIの4例(第38回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)
- 3.小児期に発症した腹膜悪性中皮腫の1例(第38回九州地区小児固形悪性腫瘍研究会)