問題解決能力を習得するための教育手法 : PBLチュートリアルとTBL(Team-Based Learning)(心身医学の心やプロフェッショナリズムをどう伝えるか〜学会内外に向けての提言〜,2011年,第52回日本心身医学会総会ならびに学術講演会(横浜))
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概要
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患者は医師のもとに,「病気」ではなく,「問題」を抱えて訪れるため,われわれは医療行為を行うために問題解決能力を有していなければならない.しかし,多くの医学生たちは,通常の講義(座学)からは,この能力を習得できない.そこで,最近の医学教育の領域では,「教壇の上の聖者から傍らのコーチへ」という潮流が広まっている.その一つの手段がPBLチュートリアルである.PBL(Problem-Based Learning)では,学生たちはチューターの指導のもとで,医学的問題(愁訴や症状)について小グループ内でディスカッションすることを求められる.PBLには思考力を高めることがその長所として期待される.しかし,多くのチューターを必要とすることと,時間をかけた割には広い範囲の内容をカバーできない.それに比べて,TBL(Team-Based Learning)は1回の講義でPBLより多くの内容を教えることができる.1回のTBLの講義は3つの相から成っており,それは,予習,準備確認,そして基礎知識の応用である.第2相では,準備確認テストが,個人(IRAT)とグループ(GRAT)とで行われる.このGRATと,第3相の応用問題ではグループ討論で答えを出す.講義の最後に,個々の学生のグループへの貢献度を互いに評価するが,この評価が学生の学習への意欲を促進すると期待できる.心身医学的な医学教育に,PBLやTBLを導入するためには,心身医学会・心療内科学会の両学会が主体となって講義の資料を準備することが望ましいと考える.
- 2012-11-01
著者
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