分散広域センサネットワークにおけるデータ配送・処理機構(センサネットワーク,<特集>ユビキタス・センサネットワークを支えるシステム開発論文)

概要

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近年,多くの拠点でのセンサネットワークの構築に伴い,センサデータを拠点横断的に提供する「広域センサネットワーク」の研究開発が進められている.本論文では,センサネットワークの拠点同士が相互通信してセンサデータの共有を可能にする「分散広域センサネットワーク」を想定し,その中で,センサデータの配送,処理を高いスケーラビリティで行う手法について述べる.分散広域センサネットワークは,世界中に散らばった拠点で構成されるため,その中からのデータ発見,配送,及び処理を高速に行うことが重要な課題となるが,これまでの研究の多くはデータの発見のみに焦点を置いていた.本研究では,センサデータのレプリケーションによるセンサデータ配送及び,MapReduceを用いたセンサデータ処理の分散機構を提案する.提案手法の結果,レプリカ台数に比例しリクエスト処理速度は向上した.集約処理を含むリクエストの応答性も,気温データの度数分布の算出において算出した際,データ数の増加に対して,応答時間の増加を機構なしと比べて約20%に抑えることができた.MapReduceのワーカ数を増やすことで,応答性も向上し,本機構が高いスケーラビリティをもたらすことを実証した.
2012-11-01