東京圏における団塊ジュニア世代の居住地移動 : X大学卒業生の事例
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概要
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本稿では,ある大学の卒業生に対するアンケート調査に基づき,東京圏に居住する団塊ジュニア世代の居住地移動について分析する.団塊ジュニア世代を含む少産少死世代は大都市圏出身者の比率が高い.そのため結婚までは親と同居する例が多く,特に給与住宅への入居機会が少ない女性においてその傾向が強い.結婚後,持家の取得に向かう居住経歴を辿ることは,多産少死世代と共通していた.夫婦のみの世帯や子どもが1人の世帯が結婚後の比較的早い段階で集合持家を取得する傾向にあるのに対し,子どもが2人以上の世帯では第2子が誕生した後に戸建持家を取得する傾向にある.大学卒業以降の対象者の居住地の分布変動は少ない.これは,居住経歴の出発点が東京圏内に散在している上に居住地移動の大半が短距離であり,外向的な移動と内向的な移動が相殺しあっているためである.都心周辺に値頃感のあるマンションが供給されている状況でも,郊外に居住する対象者は多い.郊外に勤務先を持つ対象者は,通勤利便性を重視して勤務地と同一セクターに居住地を選択する傾向にある.少産少死世代は親も同じ大都市圏に居住している場合が多いため,親との近居を実現できる可能性が高い.対象者でも結婚後に親と近居する傾向が明瞭にみられた.
- 2012-09-30
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