女性の就労に与える母親の近居・同居の影響

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概要

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子どもを持つ女性の就労支援政策は,少子化対策の観点および男女共同参画社会の理念の実現の観点から,近年のわが国では大きな課題となっている。この両立支援については政府,企業の対策だけでなく,家族による支援も大きな意義を持つと考えられる。本稿では,子育て世代の男女それぞれの母親の効果を,同居と近居に分けて分析を行った。回帰分析には多項ロジット分析を用い,専業主婦に対して,非正規就労および正規就労が選択される確率を求めている。分析の結果,未就学の子どもを持つ女性は,非正規,正規いずれの就労も抑制される。しかしながら女性自身の母親が近くに住んでいると,女性の正規での就労確率は,未就学の子どもがいないときとほぼ同じ水準まで,回復することが明らかになった。その一方で,母親の同居は女性の就労と有意な関係がなく,女性の就労に当たっては同居よりも近居の方が重要と考えられる。
2012-06-10

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