ボランティア活動への参加によって学生の学習がどう異なるのか : 全国大学生調査の分析から
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概要
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本研究では、京都大学高等教育研究開発推進センターと公益財団法人電通育英会が共同実施している全国調査『大学生のキャリア意識調査2010』の分析を通じて、ボランティア活動への参加によって学生の学習がどのように異なるのかを明らかにすることを目的とする。大学入学前後のボランティア活動への参加の有無から4グループを作成して分析1を行い、大学入学後のボランティア活動への参加の程度から3グループを作成して分析2を行う。分析1・2において、大学生活の過ごし方、充実感、知識・技能の習得、授業外実践コミュニティとラーニング・ブリッジング、そして2つのライフについて、各グループを検討する。まず分析1では、大学入学前後ともにボランティア活動に参加したことがある学生グループと大学入学前は参加していなかったが入学後に参加した学生グループが、学生の学習に関する検討項目で高い得点を示した。そして分析2では、より多くボランティア活動に参加していた学生グループが、学生の学習に関する検討項目で高い得点を示した。大学入学前後でのボランティア活動に参加し、かつ参加を継続することが、学生の学習に結びつくことが明らかになった。そして、より多く参加することが知識・技能の習得さらには領有につながることが明らかになった。こうした結果から、少なくとも、より多くかつ充実したボランティア活動の機会さらにはサービス・ラーニングの機会を学生に開いていくことが、今後の大学教育にとって重要であると考えることができる。
- 2012-07-31
著者
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