イースターパレードにおける「生の重力」と「見通しの欠如」
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概要
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リチャード・イェイツは長らく忘れ去られた作家であるが、一方、ヘミングウェイと並んで現代のアメリカ作家に大きな影響力を及ぼしたことでも知られている。本論は、ペシミステッィクな作家として知られるイェイツの作品から、二人の姉妹の運命を容赦ないリアリズムの視点から描いた『イースターパレード』(1976)を取り上げる。二人の姉妹の一見対照的に見える人生を、見通しの欠如、すなわち見えない=わからないままに生きてい行くという共通点に光を当てることで、どこにでもいる人間が生の呵責ない重力に引きずり下ろされていく様をたどり、また、共依存的な人物像を、共依存という概念が登場する前に描写していた偉大なリアリスト作家としてのイェイツの人間の生の重力と見通しの欠如のもたらす生の苦悩を明らかにする試みである。
- 奈良県立医科大学の論文
- 2007-03-15
著者
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