海岸に植栽されたタブノキへのホシベニカミキリの被害
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概要
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マツ材線虫病被害後の海岸部の防風林として,山口県萩市見島に1992年に植栽された13年生のタブノキ(Persea Thunbergii)にホシベニカミキリ(Eupromus ruber Dalman)の被害が確認された。調査木の82.7%が穿孔被害を受け,その内折損も52.0%(内幹折被害2.7%)発生していた。穿孔被害木は93.7%が幹へ穿孔していた。被害木と無被害木を比較したところ,被害木の胸高直径(8.74±2.60cm(平均±SD), n=62)が無被害木の胸高直径(6.11±1.88cm, n=13)よりも有意に大きくなった。また,無被害木の枝付根径(2.1±0.8cm, n=41)は,被害木の産卵部枝径(4.9±1.2cm, n=43)と比較して有意に小さかった。このことから被害がないタブノキは,ホシベニカミキリの産卵に適した径に達していないものと考えられた。また,割材調査の結果,1つの産卵痕に対して複数の幼虫が集中して生息しているため,折れやすくなると考えられた。現地では,幹への穿孔も進んでおり,季節風の強い現地では今後さらに折損被害が増加することが懸念される。
- 2007-04-30
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