林分の閉鎖度の決定要因 : 列状間伐基準評価に必要な値
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
列状に植栽が行われた林分を列状間伐して十分な期間が経過した後の林分閉鎖度の推定法を求めた。樹冠の平面投影が各植栽地点を中心とする半径Rの円としてその集合を林冠とみなし,植栽木はランダムに消失するという理想の林分を仮定した。ある地点の閉鎖度は植栽列からの距離,樹冠半径,植栽本数及び残存本数によって,ある地点を閉鎖する立木本数を示す樹冠密度と閉鎖する確率を示す閉鎖率として表現された。林内のある地点について植栽列からの距離が樹冠半径以下で閉鎖が生じ,樹冠半径の増大により閉鎖率は急激に増加して1に漸近し,残存本数が多いほど閉鎖率は高くなった。樹冠密度は樹冠半径の増大にしたがって増大した。また当初の植栽本数が少ないと植栽列間が広がり,列状間伐によって間伐区中央が閉鎖しない場合があることが示された。更に現実の樹冠密度に上限があると思われることを考えあわせると,樹冠密度はある地点を閉鎖する可能性のある立木数であって高い値では閉鎖の余力を示す指標になり,閉鎖率は低い値で閉鎖が破られた損失を示す指標になると思われた。指標を利用するために間伐時には未知である将来の樹冠半径の推定が重要と思われた。
- 2002-03-29
著者
関連論文
- 急傾斜地単層林の列状間伐による収穫についての考察 : 列状間伐4年後の残存3列の中央列の特性
- ヒノキ生枝の衝撃強さ
- 間伐をめぐる新たな視点 : 第4回「森林施業研究会シンポジウム」報告
- 急傾斜地単層林の列状間伐による収穫についての考察 : 列状間伐4年後の残存3列の中央列の特性
- システム収穫表「広島県立木在庫表示システム」の開発に係る心材材積推定に関する考察
- 林分平面における樹冠と林冠の関係 : 各樹冠面積が等しい場合
- 林分の閉鎖度の決定要因 : 列状間伐基準評価に必要な値
- いつ林業が求められるのか(林業基本法問題(I))
- 日本の国有林経営への期待(国有林特集その1)
- 17、民有林地域からみる森林利用の課題(国有林・林野行政問題(II))
- II 森林管理と市町村の役割 : 広島県における実態から(地方林政の現状と展望)