グリーンツーリズムの展開と集落組織 : 京都府美山町北集落を事例として
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概要
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山村の地域おこしのひとつとして,豊かな自然環境,農林業や日本文化を活かしたグリーンツーリズムがある。本研究では,茅葺き屋根の民家を活かして集客している京都府北桑田郡美山町北集落において,茅葺き屋根の保存と各種の施設を運営している集落組織「かやぶきの里保存会」(以下,保存会)に焦点を当て,組織運営の成立要因とその効果について分析した。北集落では当初,茅葺き屋根保存の地区指定や保存会の設立,各種補助事業が行政主導で進められたが,その後,保存会によって住民が活発に活動し,集落の様々な資源や特性が再生,活用されることになった。この地域おこしにより,茅葺き屋根を始めとする景観資源の保全は行政主導であったが,それを機に始められた保存会活動によって,集落住民に根付いていた共同労働,相互扶助意識も再生された。行政主導の地域おこしから自発的な集落組織の活動へと移行できた要因は,住民の中にリーダー達が存在していたことが大きい。そして,グリーンツーリズムの展開に伴って,保存会は集落づくりを自主的に発展させていく組織力を持ちつつあることが認められた。
- 1999-03-25
著者
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