落葉広葉樹林およびアカマツ林を利用したヒノキの育成(II) : 生育初期の結果
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概要
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雑草木の繁茂を抑制してヒノキを育成するために,1991年から'95年に落葉広葉樹-ヒノキ,アカマツ-ヒノキ二段林施業について実証的な試験を実施した。林内の下層植生量は相対照度の低下に対応してパラレルに減少する傾向であったのに対し,ヒノキの成長の低下は比較的小さかった。しかし,相対照度が約7%以下に低下したらヒノキの成長は著しく抑制された。また,相対照度約15%以下では形状比が著しく高くなった。これらのことに関連し,試験地のヒノキの光-光合成特性を調査した結果,ヒノキの光飽和点は相対照度約50%であった。アカマツ林内の相対照度は30〜60%の安定した値を示し,雑草木の繁茂を抑制してヒノキを育成する好適な照度条件であった。一方,うっ閉した落葉広葉樹林においてヒノキを育成するためには受光伐が必要である。その相対照度は年とともに低下したが,相対照度が高いほど低下の程度は大きかった。しかし,落葉広葉樹林下の相対照度は約5%以下には低下しなかった。
- 応用森林学会の論文
- 1998-03-25
著者
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