ヘテロキラルDNAダイマーの右巻きらせん形成能およびRNAダイマーとの比較
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
自己複製分子のホモキラリティーの確立とRNAワールド仮説との関連を考察する一環として,2'-deoxyadenylyl-(3'-5')-2'-deoxyadenosine[d(ApA)]の4種の光学異性体[D-d(ApA),d(ADpAL),d(ALpAD),L-d(ApA)]を合成し,それらの右巻きらせん形成能について検討を行った.円二色性(CD)スペクトルからD-d(ApA)とd(ALpAD)は右巻きらせんを,L-d(ApA)とd(ADpAL)は左巻きらせんを形成することが明らかになったが,これらのpoly(U)との三重鎖形成能を指標とした右巻きらせん形成能を評価したところ,ヘテロキラルなd(ALpAD)およびd(ADpAL)の右巻きらせん性に大きな差違はなく,また,D-d(ApA)のそれとも顕著な差がないことが明らかになった.以上の結果から,DNAダイマーの3'-末端側残基のキラリティーがpoly(U)との三重鎖形成能に及ぼす効果はRNAダイマーの場合ほど強くないことが明らかになった.今回得られた知見を基に,RNAの化学進化とホモキラリティーの起源について考察した.
- 2012-06-20
著者
-
浦田 秀仁
大阪薬科大学
-
赤木 昌夫
大阪薬科大学
-
赤木 昌夫
大阪薬科大学機能分子創製化学研究室
-
浦田 秀仁
大阪薬科大学機能分子創製化学研究室
-
平田 好宏
大阪薬科大学機能分子創製化学研究室
-
田路 貴子
大阪薬科大学機能分子創製化学研究室
-
落合 郁美
大阪薬科大学機能分子創製化学研究室
-
落合 郁美
大阪薬科大学 機能分子創製化学研究室
-
田路 貴子
大阪薬科大学 機能分子創製化学研究室
-
平田 好宏
大阪薬科大学 機能分子創製化学研究室
関連論文
- 16 ヌクレオチドの重合過程における不斉増幅(一般講演,第34回学術講演会講演要旨集)
- モンモリロナイト上でのD,L-アデノシン5'-リン酸イミダゾリドの効率的重合反応
- モンモリロナイト上でのD,L-アデノシン5'-リン酸イミダゾリドの効率的重合反応
- 3 ホモキラリティーの破れがDNAおよびRNA二重鎖の安定性に及ぼす影響の比較
- RNAのキラリティーと安定性
- Heterochiral RNAの合成とその物性
- ヘテロキラルADENYLYL-(3'-5')-ADENOSINEのらせん構造およびPOLY(U)との三重鎖形成能
- ホモキラリティーの破れがDNAの構造と安定性に及ぼす影響
- 亜リン酸トリエチルによる3,6-Dichloro-4-(o-nitrophenyl)pyridazineの閉環反応について
- アミノアゾール類の亜硝酸との反応に関する研究(第2報) : 5-ハロゲノイソオキサゾールについて
- アミノアゾール類の亜硝酸との反応に関する研究(第1報)
- リボースのキラリティーが核酸の高次構造に及ぼす影響と新規機能の創製
- ペプチド及びDNAラセミ結晶における構造と天然型との類似性
- ヘテロキラルDNAダイマーの右巻きらせん形成能およびRNAダイマーとの比較
- ヘテロキラルDNAダイマーの右巻きらせん形成能およびRNAダイマーとの比較