根圏における作物根系と土壌生物の研究(<特集>植物根圏の微生物・微小動物の機能と相互作用)
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概要
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著者らは,根,土壌生物の研究方法の開発を軸に根圏の生態解明のプロジェクトを2005年より開始し,本稿で,そのうちのいくつかの課題,(1)根圏における土壌生物の活動の実態,(2)根の分布とバイオポアの関係,(3)根の分布解明のための染色法,の内容について紹介した。圃場から採取した根圏土壌の試料では,線虫や小型節足動物は根に付着した土壌で大きな根圏効果を示し,根の極めて近傍に密集していることが明らかになった。すなわち,土壌中の生物の主な活動の範囲は根の分布範囲を少し拡大したものであり,根圏生態の解明には根の分布を知ることが重要であると考えられた。土壌生物との関連では,バイオポアの存在によって根の分布が影響を受けることが知られている。根の染色法の開発では,ポットにおいて,切り花着色液を地上部から圧力をかけて注入し,根を個体ごとに区別する方法を開発した。またこの方法を用いて隣接して生育する根の分布の相互関係を明らかにした。
- 日本土壌微生物学会の論文
- 2007-04-01
著者
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